第4回「教会ホームページ担当者交流会」報告

セミナー風景2005年7月23日
セミナー参加者57人

カトリックメディア協議会(SIGNIS JAPAN、会長:千葉茂樹、事務局:カトリック中央協議会広報部内)主催の「SIGNIS JAPANセミナー<教会とインターネット>」の第4回「教会ホームページ担当者交流会」が、2005年7月23日(土)、東京都杉並区のカトリック高円寺教会で行われました。

14:00 開会
開会の辞とお祈り 事務局長 Fr.久志
ようこそお越しくださいました。
シグニス・ジャパンはもともと映画等メディアを通して福音宣教に寄与する目的で設立されましたが、2年ほど前からインターネットに力を入れるようになりました
2月21日に発表された、前教皇ヨハネ・パウロ二世の使徒的書簡「急速な発展」は広報メディアに携わる人を力づけるものでした。45編の使徒的書簡の最後となったのは偶然ではなく、時のしるしに値する重要な役割を担っているからです。「インターネットは、多くの情報の提供源となるだけでなく、人々が相互にコミュニケーションを行うためにも適しています。多くのキリスト信者が、既にこの情報通信手段を創造的な仕方で利用しています」(抜粋)。会場を貸してくださった高円寺教会主任司祭にお礼申しあげます。
お祈りでこのセミナーを始めましょう。<お祈り>

主催者挨拶 千葉会長
3つのことでお礼を申しあげます。1.この会場は2度目ですが、カトリック高円寺教会晴佐久神父様がクーラーを付けてくださった 2.6月9日に映画祭を行い、今年は「ライファーズ」を上演。20年以上やってきて初めてに近い満員。ご協力に感謝 3.この場に広島、仙台からお出でいただいた皆様に感謝。技術的な問題は大きいが、先端技術を使って福音宣教に向かっていきましょう。マザーテレサの劇映画が8月中旬から都内で上映されます。マザーテレサのことばにLiving is Sharing「生きることは分かち合うこと」ということばがある。情報を分かち合いながら新しい時代を切り開いて、教会の為にもっともっと働きたいと思います。よろしくお願いします

報告 司会:晴佐久副会長
厚木教会 山内寛勝様 http://www.ayu.ne.jp/user/atsugi-ch/
昨年12月にリニューアルしました。未受洗者に対して有効なHPを目指しています。福音宣教の一つのきっかけとしたい。未受洗者のためには教会に足を運ぶための心のバリアーをはずしたい。信徒に対しては教会の様子がわかるように心がけている。
地域人口57万で信者1200人。未受洗者向けのコンテンツの充実は必須なので、コンテンツを充実させている。洗礼を受けるまでの思考の流れにそった目次を用意している。ミサの案内、活動など、教会がどんなところかわかるようにし、教会に来た時にどうしたらよいか、説明している。イベントの写真は精度を落とし、主任司祭のメッセージと写真も載せている。広報誌「あつぎ」(年4回)はPDFでそのまま見られる。このセミナーのことも取り上げている。外人向けのミサの時間は各国語で案内している。昨年7月リニューアルに着手、HP委員会7人で分担し、HP制作期間1.5ヶ月。目が疲れないよう、読みやすい背景色にしている。
これからの展望として、メール機能、聖堂の写真や由来、信徒向けコンテンツ、外国人向けコンテンツ、画面構成の見直しに着手したい。
金沢教会 吉田章 http://kanazawa.catholic.ne.jp
始めて1年です。「マウスを持てば使える」流れを目指して作ったHP。聖書朗読、説教、集会祈願をブロードバンドの環境が整った相手に対してはブロードバンドで伝えている。もちろんブロードバンド以外にも対応している。教会に来られない人が一緒にお祈りできるよう「祈り」の項目がある。若い人、未受洗者を考慮して明るい色彩にした。聖書朗読を映像と一緒に配信。著作権使用許諾も取っている。

大船 東海林謙一郎氏 http://www1.ttcn.ne.jp/~ofuna-church/
メーリングリストの活用報告について
インターネット利用状況:
1.HP 更新は月1回、基本的に教会報の掲載。お知らせはブログを使って写真付きで作成。バックナンバーは2000年から載せている。実名は加工して掲載する。
2.メーリングリスト利用
メーリングリストとは:あらかじめ登録した多人数の間で簡単にメール交換するためのツール。双方向性。1200名の信徒のうち46名。年代も広く分散している。用途:意見交換、協力依頼、ニュース、報告。ホームページとの違い:メンバーが限られて安心。操作が簡単。見る機会が多い。
活用事例:司祭館のペンキぬり。広報誌「おとずれ」の制作協力依頼。協力依頼、お知らせ、意見交換。

メリット デメリット
人と人を結び付けやすい 理解してもらうのが難しい
操作が簡単 抵抗感が多い
情報を共有できる 発信する人は限られる
平日でも連絡できる 議論が白熱するとやっかい
運用が楽 全員が読んでいるとは限らない

高円寺 内藤義明氏 http://www.koenji-catholic.jp/
皆さん素晴らしい内容で、まったく至らないところがあると思います。日本一適当な教会HPとしてお気楽なやり方を参考にしていただきたい。
経緯(IT関連):2003年夏 名簿用PCを新設した。インターネットをちゃんとできる教会にしよう という話になった。司祭館から有線でも、無線ランでも使えるようになりました。メーリングリストホスティングサービスとも契約している。2004年5月の75周年に併せて開設した。
ホームページ概要 1.入門講座案内 2.年間行事 3.おしらせ(フリーの掲示板ソフトを使い、交替で更新してもらっている)ミサの時間など。
その他の状況 WikiというCGI(無料で使えるソフト)を活用している。携帯でも見られるようにしている。プログラムを簡単な書き方で更新できる。いつでもどこでも更新可能。
メーリングリスト、掲示板の活用:青年層を中心に、リーダー向けMLを設置。有志の活動グループでも活用。契約は現在10個しているが、すでに一杯。掲示板は小さい集まりで活用している。
インターネットタウンページ:有料で詳細な広告が出せる。8月から開始。8万〜10万円(年)
プロバイダーに関してはまずは接続すると言うことだけを考えた。ホスティングとしては独自のドメインを持つこと、メーリングリストが充実している業者、CGIに関しても自由に使える業者を選んでいる。
課題 体制の建て直し 1.HP委員会で分担化を目指したが頓挫した。2.コンテンツの充実 3.ブログを開設したい:生の声を伝えられる。執筆者のローテーションを目指している。
いのちのことば社 ジャーナル出版事業部 クリスチャン新聞 情報企画課 安村明氏
文書伝道、メディア伝道の担当。
日本のキリスト教会の現状をお伝えしたい。
プロテスタント教会の年鑑「クリスチャン情報ブック」HPから内容が閲覧できる。9月発行予定。
編集の過程で全国のプロテスタント教会の情報が入ってくる。

プロテスタント8,000教会のうち6,000の回答で集計したところでは
2004年 39.9%がHPを持っている=2年で10%も増加している
この調子で行くと数年来には過半数の教会がHPを持ち、公開するようになると予想され、HPが伝道のツールとして認識されてきたと思われる。
国内の教会の全体像としては、教会は過疎化が進み、大都市には新しい教会が生まれているが、地方では消滅している。人口が少ないところにすんでいる方が神様に触れる機会が減ってしまう→HPが有効なツールであると考える。

クリスチャン新聞は週刊ですが、HPには3本のニュースを載せ、他に子供向けマンガとタイアップしてゲームなど入れている。オンラインショップもある。
本年中にリニューアルの予定で、RDBとCGIを使ったコンテンツマネジメントシステムによるものを考えている。フォーラムを開設することでセミナー風景2Web上での交わりサイトを作りたい。ショップも改善したい。日英の切り替えが出来る形。レビュー(お客様の評価)も入れたい。
メルマガ(Rock Hyruxという名前)もやっているセミナー風景2。テキストメールマガジンになっている。購読者3,000人。無料。始めてから2年。毎週火曜日発行。「まぐまぐ」とタイアップしている。
リニューアル情報
携帯用HPを考えている。ショップも使いやすくしたい。これから双方向がメインになると思うが、HPが出来たことで直接お客様の声が聞けるメリットがある。

修道会HPの報告
1.イエズス・マリアの聖心会 楠神父 http://www1.ocn.ne.jp/~lucy/
下館カトリック教会の担当。聖母幼稚園園長。12年前古河カトリック教会に赴任しコンピュータを開いたことも無かった。信者さんにHPがあるといいな と言ったら、出来てます といわれた。古河教会のHPがエスカレートして、修道会のHPが欲しいと思っていたところ、人事異動があった。転々とするためにHPは休止状態。下館教会ならびに修道会のHPがしっかりしたものにしたい。
2.宮崎カリタス修道女会 http://www.m-caritas.jp/
今年から日本管区の宣教の担当で、HPを担当している。HPは宣教の手段であり、02年に立ち上がった。日本に50支部。更新に時間と労力を使っている。会の情報発信と召命司牧のため。サイトマップなど見やすくした。親しみやすいものを考えている。
3.聖心のウルスラ宣教女修道会 http://www17.ocn.ne.jp/~omsc/
修道会のHPはまだ出来てから半年。もともと付属幼稚園に勤めており、幼稚園のHPを作っていた。修道会はHPないのですかと聞かれていて、いまどきHPがないのは具合がわるい と3時間くらいで作った。
4.聖霊奉侍布教修道女会(聖霊会) http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~sspsvoc/
6年ほど前に、1年に1回7つの支部が集まって召命推進のことを話し合って、そのときにHPを作ったらどうか という話が持ち上がり、担当になった。支部から記事を送ってもらったりしてやりくりしてる。忙しくて新しい技術を覚える時間が無くて困っている。
5.マリアの宣教者フランシスコ修道会 http://www.fmm.jp/
私たちの修道会は世界宣教にささげられていますので、本部のローマが3ヶ国語のりっぱなHPを作っている。世界中のすべての管区が持つ訳にはまだ行かないが、できるところから早くHPを作るように 2年前に指示された。1年で部分的なリニューアル、今年1月に完全リニューアルをした。支部がたくさんあるのでどんなところにあって何をしているのか知らせたい ということを考えて毎回四苦八苦している。
6.サンパウロ http://www.sanpaolo.or.jp/paolo/osirase.htm
パウロ会のHPは女子から遅れて出来上がりました。すべて自前で作っています。会員が2人、立ち上げからずっと携わっており、よくもこれだけやっているなあ と感心します。最初のうち情報下さいといっていたのが、最近では情報が多すぎて毎週3日間HPに関わっている。あとの3日間はお店の売り子をして、情報を集めながら生まれていっていると思います。うちの特徴はバナーがたくさんあることです。サンパウロは修道会の経営ですが、HPは事業体を中心にショッピングなどが主で、修道会は端っこにひそやかにおいてあります。貪欲に新しく、見やすいようにということで作っています。

パネルディスカッションパネルディスカッション
パネルディスカッションQ1.未受洗者の方に“ここにこういうHPがあるよ”ということをどのようにアピールするか。本所教会でもHPを立ち上げているが、子ども達の活動を紹介して、子ども達のつながりから浸透していくようアピールしている。神田教会は結婚式で検索するとヒットするように作っている。その辺はどのようにやっていらっしゃいますか?

厚木教会は「初めての方へ」というところで未受洗者の目線で書いている。教会学校は写真をたくさん掲載している。
金沢 特別には出していない。検索エンジンに頼るしかないので、タイトルにポイントとなることばが必ず入るようにしている。
大船 教会内の信徒に向けて というコンセプトなので情報を網羅して掲載する以外、特にこれと言った工夫はしていない。
高円寺は、外に向かってあるべきだ と考えており、HPでは入門講座をアピールするのが現状。
クリスチャン新聞では未信者に伝えるのが大きな使命と考えています。情報が知りたい という方が多く、有効な手段としてメルマガを行っている。それで教会に来た方がいることはあかし等でたくさん聞いている。

Q2.リンクが少なかったと見えましたが、リンクが増えると未受洗者の方の見る可能性が高くなるんです。リンク先は如何お考えでしょうか?

厚木 リンクはホーリーリンク、バチカン、まわりの教会案内などで、それぞれに一言説明を入れている。
金沢 ポータルサイトを利用して、見た目には少ないが入れば無限につながる という形にしている。
大船 基本的に他の教会のリンクをみて決めている。近辺の学校とかもある。要請があれば貼りますが積極的ではない。
高円寺 前回第3回のときホーリーリンク等と知り合い、リンクをお願いした辺りから検索順位が上がってきた。キリスト教関係のいろんな活動をしているところとのリンクについてのご質問とお見受けしたが、今は手付かずの状態。価値のあることだと思った。
クリスチャン新聞 ブログに関しては文章と画像が同時に扱えるので、年内にそういうHPを作りたい。リンクを工夫した最たるものがポータルサイトではあるが、リンクを並べただけだと静的なものになってしまう。ニュースリリースを加えた最新情報で更新を頻繁にする必要がある。
大船では信徒向けのHPを考えている。宣教という点では他の教会が立派なものを作っているので大船でしなくても と思っている。携わる人が限られているし、大船では私一人なので私は無理をしないようにしている。

Q3.広報誌をPDF形式で見せているとのことですが、個人情報の部分で転入とか転出とかあると思うんです。その辺はどのようにお考えですか?チャットやメールアドレスの公開について伺いたい。

厚木 転入・転出者、転出先も実名。これまでのところ問題はありません。何か問題あればその時対応するというスタンスです。 イグナチオ教会も教会委員は実名写真入であり、厚木もいろいろオープンにしようという方針です。
金沢 チャットは難しいです。でも話し相手がいないと出て行ってしまうので、今のところ問題ない。掲示板もチャットも監修する。できるだけ安全にHPを利用してもらいたいと思い、2ヶ月前にパスワードで入る形にした。ブログは今やっていない。お知らせにも顔は出していない。
要請があればイニシャルや、ひらがなに変更し、写真も精度を落として掲載します。
HPのメールアドレスは基本的に教会の代表電話の機能としてお答えしています。神父個人には転送しません。
メールアドレスを公開しているところは減ってきている。メールフォームを作るのが良いのでは?

Q4.HPのなかの殆どのコンテンツについてはそんなに頻繁に更新する必要がない。ニュース、トピックスなどは変えなければならない。どこまで神父様の了解を得ているのか、あるいはまったく信頼していただいて出しているのか。最終的な責任は神父様にかかってくるわけだが、その辺の考え方を伺いたい。

厚木 HP担当者は広報部の下のHP委員会に属しており、教会委員会の中で報告して逐次了解を得ている。主任とは十分コミュニケーションが取れていて、事前に主任司祭の了承を得ている。孤立しないように注意を払っている。
金沢 主日ミサを毎週更新しているので司祭とは一心同体。編集は大変な労力が必要。説教は8分にまとめてブロードバンドで、日曜の13:00にはアップしている。
大船 今言われて気がついたが、神父の了承を取ったことがない。掲載内容は会報に載ったものであり、最初からまずいものははずされているだろうと。今の神父様はパソコンを持っていないと思われるのでそもそも何が行われているか、知らないと思われる。明日相談してみます。
高円寺 HP委員会に内容は一任されている。内容で相談したことはこれまでない。
クリスチャン新聞 内容は牧会者の方が見、担当者がアップする というのが適当かと思う。

Q5.更新の頻度、スタッフの数

厚木 月に数回。7人(うち4人がHPにさわれる。1人は80歳)
金沢 毎週日曜 14:00までに更新。(急がないと次の週がすぐ来てしまう)。すぐアップするためには前日までの仕込みが重要。映像と音声もバックアップとして2台で収録。
大船教会では更新は月に1回の広報誌が出たとき。他の更新は時々ブログでする。スタッフは一人。つぶれてしまうと大船教会HP最後の日となってしまうので、無理をしない。広報誌の原稿もメールで送ってもらって省力化に務めている。
お知らせのところだけは、HP委員会の中でお知らせグループを作り、分担している。それ以外の更新は内藤さん一人。
実際に更新のない教会HPもある。テキストデータでメールなどで送ってもらって技術のある方にアップしてもらうとか、Web上で更新できる仕組みをつくると良いのではないかと思う。

Q6.「カトリックとは」「ミサとは」のところを皆さんどう書いていますか?司祭に「それは出すな。中央協の画面に飛んでください と書いてくれと言われた。皆さんの教会では誰が、どのように書いていますか。中央協へのリンクは可能なのか。貼り付けは可能なのか?

厚木 「初めての方へ」の中に説明している。教会内の各委員会で共同でレビューし掲載している。
金沢 一切書いていません。中央協議会などのページを見ると丁寧に書いているので、それを見てもらうように、最初から役割分担している。
大船 大船教会は無いです。カトリックとは、キリスト教とは ということを知りたい人が大船のページに来るとはまず思えない。中央協を見てもらえればな ということです。大船はあくまで大船の、ローカルな情報に限定しています。
高円寺 リンクで紹介するのがせいぜい と考えます。
クリスチャン新聞 みことばをよく掲載させていただいておりますが、掲載する時は入念なチェックを入れます。

Q7.メーリングリストについて。それぞれのアドレスを公開するのか。約束事を聞きたい。

管理者のみが全員のアドレスを知っており、個人のアドレスの公開はしない。

報告者の皆様に「SIGNISバナー」の贈呈― 千葉会長

SIGNISバナー

仙台、広島からの参加者 挨拶
参加者 日本FEBC代表 吉崎恵子さんより挨拶
17:45 アンケートのお願い、閉会 まとめ― 千葉会長

晴佐久神父懇親会のご案内
懇親会 44名参加

懇親会の様子

以上