第41回日本カトリック映画賞決定! 5/20(土)授賞式&上映会

第41回日本カトリック映画賞(2016年度)は、「この世界の片隅に (片渕須直監督)」に決定しました!

授賞式&上映会が2017年5月20日(土) なかのZERO大ホール(東京都中野区)にて行われます。
12:00開場、12:30より上映
チケット:1,000円 / 高校生以下、障がい者(含介助者1名)800円
販売所:聖イグナチオ教会案内所、スペースセントポール(東京カテドラル内)、サンパウロ書店(四ッ谷駅前)、
ドン・ボスコ社(四ッ谷)、高円寺教会天使の森

★満席の場合には入場をお断りする場合もあります。

★メールでの申込みの受付は、5/9をもちまして終了させて頂きました。
問い合わせ先:TEL 090-8700-6860(担当 ⼤沼)

バリアフリーについて ★字幕付き上映、対談は要約筆記および手話通訳付きです。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております!


《授賞にあたって》

この世界の片隅「を」  シグニス・ジャパン顧問司祭 晴佐久昌英(カトリック司祭)

主人公のすずが、道端にしゃがみこんで何かを見つめている。アリの行列だ。この世界の片隅にけなげに生きている、小さなアリを優しく見守る、すずのまなざし。そのまなざしこそは、最も小さな命をいとおしむ、この映画のまなざしである。いつの世にあっても、争いを起こすのは、自分が「この世界の中心」だと思い込んでいる人たちだ。彼らは、重くて固い靴で行進し、自らがアリを踏みつぶしていることなど、意にも介さない。彼らにとって、「この世界の片隅」など存在しないのである。分断と排除の声が高まる、今の時代に最も必要なこと、それは、この世界の片隅をまっすぐに、敬意をもって見つめることなのではないか。この世界の片隅に幸せが訪れない限り、この世界のだれも幸せにはなれないのだから。イエス・キリストは、無力な人、弱い立場の人について、弟子たちにこう教えた。「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい」(マタイ18・10)

もしも映画に、世界を幸せにするという使命があるならば、この世界の片隅をきちんと描くことを置いてほかにない。その意味で、片隅の人生に秘められた価値を信じ、片隅の涙に共感する観客の心を信じたこの映画は、間違いなくその使命を果たしている。今も世界の片隅で、理不尽な苦しみに耐えて必死に生きている、無数のすずと心をひとつにして、ここに日本カトリック映画賞を贈りたい。

すずが、自分を見染めてくれた周作に言ったひとことが、一瞬、映画を見ている自分に言われたような気がして、ぐっと来た。
「ありがとう。この世界の片隅に、うちを見つけてくれて」

※画像キャプション:©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会 片渕須直 監督