SIGNIS 「第18回教会とインターネットセミナー」の報告

参加者は40名ほど

11月8日横浜教区平塚教会で、第18回「教会とインターネット」セミナーが開催されました。これは神奈川第6地区宣教司牧委員会宣教部会の要請に応じて、SIGNIS が開催する運びになったものです。第6地区には茅ヶ崎、平塚、大磯、二宮、国府津、小田原、秦野、真鶴、箱根強羅の教会があります。
参加者は40名ほど、第6地区の参加者は20名、他教区他地区からの参加者が10名、SIGNIS スタッフが10名となっていました。今回も仙台教区からの参加が2名ありました。

オススメ教会ホームページ

セミナーの中味の最初は SIGNIS の山田さんのオススメの教会ホームページ(以下HP)の紹介です。これまで SIGNIS は過去2回3年おきくらいに「教会ホームページ」定点観測を行ってきました。日本の小教区のカトリック教会のすべてを検索して、HPがあるのか、どのくらい更新されているのか、どういう内容を持っているか、どういう態勢で作られているのかなどを調査しました。そのなかからこれはというオススメのホームページをピックアップして報告されました。

その中で印象に残っているのは、福岡教区小倉教会のHPです。この教会のプロモーションビデオともいうべき動画が公開されています。

http://kokuracatholic.com/

そしてこの教会のホームページの中に「エクレシア九州TV 」というインターネットテレビ局が開設されていました。

参加者の教会のホームページ紹介

次に各参加者に、自分の教会のHPの現状を紹介していただき、どんなところが見どころか、どういうところに苦労しているのかなどの話をしていただきました。第6地区の教会にはほとんどがホームページを持っているということが紹介されましたが、なかなか更新がままならないとか、何を掲載したらいいか分からないという声尾が聞かれました。
なかで小田原教会の参加者は、じつは SIGNIS が教会HP立ち上げをサポートして出来上がったホームページを紹介してくださいました。
http://catholicodawara.org/

横浜教区教会ホームページ規約について

休憩のあと、フリートークの時間となりました。まず最初に話題となったのは「横浜教区ホームページ規約」についてでした。これは横浜教区の小教区がホームページを作成する際に遵守すべき規約として、教区広報委員会が定めたものです。
教会のホームページはひとつであること、メッセージを担当する人とホームページの維持管理をする人とは分けるべきこと、記事を掲載する前に主任司祭の原稿チェックをえること、などの規約が書かれています。
フリートークの時間には、この「ホームページ規約」についていろいろな意見や問題点の指摘が出されました。
先ず第一に、これは教会HP をめぐるトラブル対策として作られたという背景があるという説明があり、そのトラブルの例が紹介されました。従ってどうしても禁止条項が多く、前向きにどういうホームページを作ったらいいというビジョンがないということです。
第2に、これが出てきた背景が各教会の広報担当者やHP作成、更新にあたっている信徒の意見をきくこともなく、まったく一方的で突然ふってきたという感じです。これを作った広報委員会とはどういうメンバーで誰が責任者なのかも明らかになっていないということあげられました。
小教区のHPをチェックする規約をつくるよりも横浜教区HPを充実させてほしい、もしそれをする力が教区広報委員会にないといわれるならば手伝ってもいいという声も上がりました。
第2地区(横浜川崎北部地区)の広報担当者の集いでは教区の広報担当者との話し合いを教区広報委員会の委員長である鈴木真神父に申し入れて回答待ちであるとのことです。このような集まりは、地区ごとで個別に行うのではなく、教区レベル行うべきでしょう。
この問題は横浜教区固有のローカルな問題であり、これ以上は深入りしませんでした。
次は、小教区HPはどのような内容を持つべきかというテーマについて考えました。

教会ホームページを活性化するためのオススメ

まず SIGNIS の土屋より、「教会ホームページを活性化する13のオススメ」のレポートがありました。http://blog.nyumonkouza.net/?p=2678

1.教会が活性化すればするほど、教会ホームページも活性化する。そうでない場合、つまり教会ホームページは活性化しているが、教会は沈滞しているという羊頭狗肉なケースも「あり」。教会ホームページが教会を活性化することもありうる。
2.教会の建物や設備よりも、そこにどれだけ「信仰の喜び」が表現されているか、それを読み取れるホームページでありたい。
3.教会ホームページは、教会メンバーを対象とするのではなく、キリスト教を知りたいという人、教会を知りたい、行ってみたいという人の「目線」で表現され、そのニーズに親切に応えるものでありたい。
4.その教会ホームページの、ほかにはどこにも書かれていない個性的でユニークなコンテンツこそが《たから》である。どこにでも書かれているようなことは書かれているどこかとリンクをはればいい。
5.教会の信徒の《いきざまと信仰》があふれ出ている、この教会に行ってこの人と会ってみたいと思わせるような内容をあふれさせよう。
6.教会と地域との関係を表した記事も貴重な《福音=good news》である。町おこしや地域行事への参加、地域で活躍している人の紹介など。その地域を知るために調べているうちに教会ホームページに迷い込んでしまったというケースが生じるのが理想的である。
7.たとえば、キリスト教や信仰についての質問が投稿されるとする。それに神父さんだけが応えるのではなく、いろいろな人があれこれと異なった答えをできるシステムがあったらいい。
8.教会で行われている「入門講座」と連動しているホームページでありたい。
9.他の教会ホームページで行われていること、かかれていることを自分の教会でもやってみて、リンクを張る。他の教会のコンテンツもあたかも自分の所のもののように取り込むというのがかしこいやりかたである。
10。教会ホームページに笑顔の写真を溢れさせよう。人の顔をぼかしたり、顔のない写真をアップするのは《愚の骨頂》である。プライバシー恐るるに足らず。
11.ホームページに掲載する記事を主任司祭の事前検閲制ではなく、アップしたらそれをチェックするというし事後報告制にする。
12.その教会の独自なテーマがあったらいい。たとえば「家族」たとえば「教会と音楽」たとえば「祈り」。そのことを知りたいならそのホームページにいけばいいというふうになったらいい。リンク集だけでもいい。たとえば「キリシタンを主人公とする小説リンク集」みたいなもの。http://blog.nyumonkouza.net/?p=1272
13.わたしのお薦めホームページは橿原キリスト教会のFacebook上のホームページである
https://www.facebook.com/kashiharachurch

笑顔溢れる教会ホームページを

この中で、意見がいろいろと出てきたのは、HP上の顔写真のことである。掲載される人の了解を取ることは当然必要であるが、プライバシーのことを配慮するあまりに顔のぼやけた写真や顔が映っていない写真、誰だか分からないような写真ばかりになってしまうのは教会のHPらしくないという意見が多く出されました。

教会ホームページとSNS

もう一つ出された意見は、もうホームページの時代は過ぎたのではないかという意見がありました。たとえばスマホに対応しているかどうか、あるいは Facebook LINE などのソーシャルネットワークをどう利用するかという方が、現代の特に若者たちのニーズに応える福音宣教になるのではないかというものです。
これについては「教会とインターネットセミナー」でこれからも取り上げていくことにしています。

 活発で建設的なフリートーク

ともかく、とも活発で建設的な意見交換がなされたフリートークの時間でした。参加者のアンケートをみても、とても充実したセミナーだったという感想が多くみられ、SIGNIS としてもとてもうれしく思っています。

SIGNIS「教会とインターネット」セミナーの今後について

SIGNIS では今年2回のセミナーを実施しました。1回は今回行われたような教会HP担当者交流会で、あと1回は「SNS と福音宣教」というテーマのセミナーでした。来年の3月に関西で「SNSと福音宣教 その2」のセミナーを計画しています。あと1回のHP担当者交流会も今回のようにローカルに開催するというのもとてもいいと思っています。
特に今回は神奈川第6地区の宣教部会の要請に応じて開かれました。私たちがそのニーズに少しでも応えることができたのではないかという手ごたえがあったことはとてもうれしいことです。今後もこういう形での「HP担当者交流会」の開催をさいたま教区とか静岡県とかでローカルに行えることを願っています。